介護士不足や離職が多発していることを受けて、国では各事業所に対して介護士のキャリアパス制度を設け、モチベーションを保って介護の仕事が続けられるように働きかけている。
その内容は、介護の基礎的な知識や技術を学べる介護職員初任者研修や、より実践的な内容を学べる介護福祉士実務研修、介護の国家資格である介護福祉士や介護支援を専門に行うケアマネージャー資格などを創設していることだ。介護士が目指したい方向性を、資格取得を通して実現できるようにしている。
介護士のキャリアパスは、資格取得だけでなく身につけるべき能力や意識するとよい点にも目を向けることが大切だ。それにより、現場で有意義な活躍ができる介護士になれるのだ。
介護士として身につけたい点の一つは、コミュニケーション能力である。介護の現場では、利用者やその家族、他の介護職員との対話やコンタクトが欠かせない。声のかけ方や言い方ひとつで、利用者が積極的に動いてくれるか、逆に機嫌を損ねて協力を得られないかが分かれてしまう。相手の気持ちを考えた言葉遣いを心がけたいものである。
さらに、ヒアリング能力や観察力も介護の仕事には不可欠といえる。ちょっとした変化に気づき早めに対策を打つためには、最新の介護技術や専門的な知識を身につけておくと役に立つ。
介護のスキルを上げるためには、積極的に学ぶ姿勢がポイントになる。新しい知識や技術を進んで身につける姿勢があれば、より柔軟に対応したり利用者の目線に立った介護ができるようになるはずだ。